いつもお世話になっております。今月号の事務所だよりをお届けしますので、ご査収下さいますようお願い申しあげます
景気浮揚策として手っ取り早い税制改正が、住宅ローン減税の拡充です。今回もとんでもない案?が浮上しています。実施されるかどうか?わかりませんがご紹介します。
「財務省と国土交通省は住宅ローン減税を拡充する検討に入った。減税期間をいまの10年から15年に延長し、減税額も最大で1千万円規模に増やす。所得税額が計算上の減税額を下回る個人には、差額を住宅エコポイントなどで給付する仕組みも検討する。2014年4月の消費増税による住宅購入者の負担を和らげるのが目的。今年末の税制改正論議で細部を詰め、14年の実施をめざす。」
1.具体的にみてみます。
40歳サラリーマンの鈴木さん、年収600万円、扶養は妻のみ。鈴木さんの所得税は、年間16万円ぐらいです。3000万円の住宅ローンを組んだ場合、ローン減税は3000万円×1%=30万円になります。
もともと税金を16万円しか払ってないため、差額の14万円は今まで切り捨てでした。この14万円を現金還付するというとんでもないバラマキ案がでています。どこからお金を工面するのでしょうか?
すでに住宅を購入し、居住してしまっている人は全く恩恵が受けられません。
2.住宅ローンの借り換えについて
昨今の低金利により、住宅の取得等に当たって借り入れた住宅ローン等を金利の低い住宅ローン等に借り換えることがあります。また、まれに住宅の取得等に係る親族知人からの借入金を銀行の住宅ローン等に借り換える場合や、償還期間が10年未満の住宅ローン等を償還期間が10年以上となる住宅ローン等に借り換える場合もあります。
住宅借入金等特別控除の対象となる住宅ローン等は、住宅の新築、取得又は増改築等のために直接必要な借入金又は債務でなければなりません。したがって、住宅ローン等の借換えによる新しい住宅ローン等は、原則として住宅借入金等特別控除の対象とはなりません。
しかし、次のすべての要件を満たす場合には、住宅借入金等特別控除の対象となる住宅ローン等として取り扱われます。
1 新しい住宅ローン等が当初の住宅ローン等の返済のためのものであることが明らかであること。
2 新しい住宅ローン等が10年以上の償還期間であることなど住宅借入金等特別控除の対象となる要件に当てはまること。
この取扱いで、住宅借入金等特別控除を受けることができる年数は、居住の用に供した年から一定期間であり、住宅ローン等の借り換えによって延長されることはありません。
借換えによる新たな住宅ローン等が住宅借入金等特別控除の対象となる場合には、次の金額が控除の対象となる住宅ローン等の年末残高となります。
(A) 借換え直前における当初の住宅ローン等の残高 (例1 3000万円 (例2 3000万円
(B) 借換えによる新たな住宅ローン等の借入時の金額(例12500万円... (例2 3200万円
(C) 借換えによる新たな住宅ローン等の年末残高 (例1 2450万円 (例2 3100万円
1 (A)≧(B)の場合 対象額=(C) 2450万円 上記(例1の場合)
2 (A)<(B)の場合 対象額=(C)×(A)/(B)2906万円 上記(例2の場合)
つまり借入残高が借り換えによって増えた場合には、按分計算が必要です。
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