10月1日 この日は松芝財閥の会長が亡くなってから10ケ月目に当たる。
松芝金三郎は103歳で亡くなった。大往生でした。
子どもが8人、孫が15人、ひ孫が3人いた。その他に認知しているした子が2人。子どもや孫が先に亡くなっているので相続人は全部で14人もいました。
預貯金・上場株式等の有価証券だけで1000億円以上はある。土地も数百区画、田舎の山もたくさんあり、数千筆に分かれている。山には山林、立木が植えてあり相当な数にのぼる。
家屋・構築物も貸しビル・貸し家等が多く、100近くの物件になる。
その他、書画・こっとう等等数千点を所有していた。
財団法人を作り、生前にかなりの美術品は美術館に寄贈されていた。しかしまだ個人所有のものも、とんでもなくたくさんあった。
相続税の申告
税理士事務所ではプロジェクトチームが作られており、10名以上の職員(うち税理士有資格者が5名)がこれにあたった。
所轄の税務署の資産税部門から2人、国税局の資産税課の課長補佐1名、審理の専門官他2名が合同で松芝金三郎氏一人のための相続税申告のために動いていた。
書画・こっとうについては、出入りの百貨店の外商部の責任者が資料を作成し、事前に当局の判断を仰いで金額を決定する。
山林にある立木のために税理士事務所の税理士2人が1ケ月かかりっきりで資料を集め、評価を出す、山林は全国に点在するため資料の収集・山林組合での確認に時間がかかる。
こんな具合に、それぞれの担当する資産を多くの人間が確認し評価していった。
全部で20名ほどの、立場も目的も違う人種が調整しあい、最終の申告書を作っていく工程は、まさに「プロジェクトX」の様でもあった。
総資産5000億円以上、相続税の総額は2500億円にも上る。この相続税の高額納税額は、歴史に残るほどの金額でした。
当然申告後の税務調査も引き続き平行したような形で行なわれました。
修正・更正が出て当たり前の調査です。
意図的に申告額を過少になどということはまったくない。
あまりにも膨大な資料のため、他の人間が検算するたびに金額が変わってしまう。
いつまでたっても終わらないので、適当に(適正に適度な時期に)調査を終わらせたのは、
○○さんでした。
|